1次予選第4日(その4)

  • 64 齊藤 一也 日本

Bachも割とストレートな演奏だったが、Beethovenもちょっとメカが先行しているタイプ。明晰かつ推進力はあるのだが、ちょっと素っ気なさすぎるか。強音での音の硬さも気になる。第2楽章もアゴーギクは最小限、強弱のつけ方もディジタル的で、ちょっと機械的な感じがするし、終楽章はちょっと指の運動的演奏。Schumannも同様。メカに強いのはわかったが、そのほかの音楽性面は?だった。

  • 77 アレクセイ タルタコフスキー Alexei TARTAKOVSKI アメリ

Bach、Beethovenとも悪くはないが気に入るというほどでもなく、決め手に欠けると思ったが、最後のChopinでちょっと株が上がった。少し強引なところはあるけど、力強く決然としている(今回はこの曲に対して甘めなのかもしれないが)。ただ演奏時の呼吸音がかなり気になった。

  • 57 ルカ オクロスツヴァリゼ Luka OKROSTSVARIDZE グルジア

Bachは音色をよくコントロールしていたがフーガで止まりかけるミスがあってこれは痛かったかも。Beethovenは今ひとつ。Bachでもそうだったが、たまに弾き急ぐようにリズムが前のめりになる癖があるのがかなり気になる。Lisztはラッサンであまり粘らずサクサク進むのは私好みでよかったが、フリスカはやや微妙。ただコンクールでは珍しく最後にカデンツァ(誰のだろう?)を入れていたのは面白かった。