1次予選4日目(その1)

演奏曲目はこちらを参照。

Bach, Beethovenとも骨太な演奏。Beethovenはアクセントや和音の鳴らし方などいくつか(個人的好みからすると)注文はあったが、ツボを押さえていて好感が持てる。後半少しミスが重なったのが惜しい。Wagner/Lisztも、細部を言い出したらきりがないが全体の流れは悪くない。スケールが大きくうまく盛り上げていた。

Bach前奏曲は大伽藍を思わせるような豊かな響きの中にも部分部分で表情に変化をつけられていてなかなか聴かせる。フーガは一転溌剌としたテンポとタッチで前奏曲とのコントラストが鮮やか。が、Beethovenはテンポがアグレッシブ過ぎて弾き急いでいるようで、また和音をやや叩きつけるところがあって少し耳障り。「もう少し落ち着け!」と思わず言いたくなった。Chopinもこの流れは止まらず、超攻撃的というか音圧が暴力的とも言える。力強い中にもエレガントさがあったらよいのだけど。。

  • 82 渡辺 友理 日本

Beethoven, Bachともあまり印象に残らないというか今ひとつパッとしない感じ。正直これで前回ショパコンのディプロマ?と思ったが、最後のChopinは力感、スピード感がよく出ており、やっとそれらしさを見せていた。

  • 88 ユ スルギ YOO Seul-Ki 韓国

Bach,Beethovenとも無難にまとめてはいるが、音に魅力がない(平板というか深みがない)せいか今ひとつの印象。だが最後のSaint-Saensはかなり速めのテンポで激しく攻めていて、終盤は怒涛の追い込み。これで音の美しさ、充実感があったらさらによかったが。。