1次予選3日目(その1)

演奏曲目はこちらを参照。

Bach前奏曲はソフトで温かみのあるタッチ主体。音コンあたりだとBachはみんながみんな同じような解釈で統一(?)されている感じがするのに比べるとなかなか新鮮である。Schubertも響きが豊かでダイナミックレンジも大きく骨太な印象。もちろん悪くない。Schumannも昨日のKosmiejakに比べるとアゴーギクや強弱など随所に「濃い」というか表現意欲が見られて面白い。

  • 25 エリザヴェ―タ イワノワ Elizaveta IVANOVA ロシア

Bachは、2010年のBachコンクールのディプロマということでちょっと期待したのだが、もう一つパッとしない。フレーズの切れ目が明瞭でない感じである。Beethovenも、昨日の石田君に比べるとらしくなってはいるが、ただメカがもう一つなのか、細かな走句をもう少し1音1音くっきりさせたいところ。Chopinも同様。音がフニャフニャとまでは言わないがやはり速いパッセージなどでクリアに聴こえてこない。

  • 22 イン ソヒャン IN So-Hyang 韓国

Bachは非常に優しい音だけど、それ一辺倒ではなく芯の通ったところもあるとよいか。フーガも同様で、どこか弱々しいというか煮え切らない印象を受ける。BeethovenもBachと同じ雰囲気の曲が続くのはどうなのだろう。Chopinもくぐもった(悪く言えば芯のない)音が多く、もう少しヌケのよい輝きにある音がほしいところ。ちなみに経歴の先生の欄を見ると、'95年の日本国際コンクールで2位だったA.Reichertの名前が出ていて、彼ももうそういう年齢なのだなとちょっと感慨に耽ってしまった。。

  • 23 犬飼 新之介 日本

彼は前回も出場していて、1次落ちだったが、それほど悪い印象ではなかった。Haydnは提示部にもう少しキレというか曲想が突然変わるとこに瞬発力がほしいところで、1曲目に持ってきた割にはちょっとインパクトが薄いか。Bachは無難と思うがLisztは残念ながら睡魔が襲ってきてあまり覚えていない。。