1次予選5日目(その3)

  • 92 チュウ ハオ ZHU Hao 中国

最初にSchumannを持ってきたが、音が美しい。弱音は繊細で、強音はヌケがよい。細かい音型での指回りも魅せる。今年のシドニー5位ということで少し期待していたが、それに応えてくれそうな感じ。Bachも完成度が高く、あまりケチをつけるところがない。最後のMozartは前2曲に比べるともう一つだったかも。とても優美なんだけど、アゴーギク、アクセントが控えめで解釈的にあまり好きではなかった(時代楽器の演奏に慣れているせい?)。一部モゴモゴと不明瞭にあるパッセージもあった。

  • 72 ソ ヒョンミン SUH Hyung-Min 韓国

Bachは小細工なしのストレートな音だが、この曲ではこういう解釈もアリか。Beethovenもツボをよく押さえている。Chopinも今回聴いたバラ4の中では(といっても3人くらいしか聴いていないが)一番しっくりくるというか胸に響いた。欲を言えば全体的にやや響き過多になる傾向があるので響きの量をもっとコントロールできるとよいと思ったが。

  • 75 鈴木 美紗 日本

BachまずまずだったがBeethovenは曖昧になるところがあってメカ(指)が弱い感じ。Chopinもあまり印象に残らなかった。和音が美しく響かないのが痛い。こういう演奏を聴くと、ピアノは手の大きさや力の面で男性向きの楽器だとつくづく感じる。(BachやMozartのようにハンディとならない曲もあるけど。)