1次予選4日目(その3)

  • 54 務川 慧悟 日本

私は聴いていないが、今年の音コンで1位となっている。Bachは立体感があり、細かな表情もついていて、よく考えている。ソプラノ以外の声部もしっかりと主張をしているのがよい。Beethovenも完成度が高く安定感がある。日本人らしく音色がモノクロームではあるが、それほど気にならない。最後のLisztもテクニックのあるところを見せた。後半のオクターブ連打は見事。音コンにも優勝して、今は(良い意味で)調子に乗っている時期かもしれない。

  • 55 中桐 望 日本

Bachはまずまず。前奏曲はさらに粒の揃いが完璧だとよいけど。Schubertはちょっと線が弱い感じがする(音が軽い?)。そして最後のLisztは、正直なぜこれを1次に持ってきたのかわからなかった。どちらかというと技術的限界を露わにしただけのように思える。(好きな曲でどうしても弾きたかったというのなら仕方ないけど。)

  • 85 シュ ガ−フイ XU Gehui 中国

Bachのフーガはかなりサバサバとして、個人的にはもう少ししっとりと抒情的にいきたいところだが、こういう解釈もアリか。Haydnは生き生きとして悪くなかったが、Schubert/Lisztは今ひとつ。最初の方は旋律線があまり滑らかに歌えていなかったし、終盤は響きがちょっとゴチャゴチャした感があった。