3次予選1日目(その1)

演奏曲目はこちら

  • 65 阪田 知樹 日本

Mozartのピアノ四重奏曲はあまり詳しくない曲、かつトップバッターで比較相手がないのではっきり言えないが、それほど悪くなさそうという感じ。Debussyエチュードもオーソドックスな解釈でメカも安定。ただ全体的に慎重に丁寧にいっているような印象で、もう少し思い切りよくてもよい気がする(たとえば4度のクライマックス部分とか)。あと響きが美しいと感じられるようになっていればよかった。最後のノルマも技術的に非常に安定していて、メカが優れていることがよくわかる(クライマックスの難所でちょっとハズしたのは惜しかったけど)。欲を言えば中間の緩徐部分は雰囲気を変えてもっと歌いたかったし、アルペジオは高音部をもっと煌めかせられるとよかったかも。

  • 76 内匠 慧 日本

Mozartは第1楽章展開部など、全体的にちょっと控えめだったかも。自分が出るところを弦が出るところをもう少しメリハリをつけてもよかったと思う(やや伴奏に徹しているような印象)。阪田君もそうだったが、終楽章ももっと愉悦感を全面にだしてほしい気もした。ソロのHaendelはまずまず、Babazhanyanもビート感のある現代曲で特に終曲は楽しめた。(委嘱作品もこういう曲だと面白いのだが。。)続くChopinの幻想曲もツボをよく心得ている。今回この曲を何回か聴いたが、その中では一番しっくりきた。音に力みがないのがよい。最後のイスラメイは、インタビューで、以前は速めのテンポで弾いていたが正しいテンポに戻したと言っていたので、落ち着いたテンポで弾くのかと思ってたら、十分に速いテンポで攻めていた。特にオクターブがスムーズ。なかなかのテクニシャンであることがわかった。

  • 11 アシュレイ フリップ Ashley FRIPP イギリス

Mozartは、これまでの日本人と違って出るべきところは音がよく出ていて、協奏曲を聴くような面白さがあった。(日本人は、出しゃばらないようにという意識が強く働くのだろうか。。)ソロに入って、フランス組曲は端正な表現ならがも表情が豊か。繰り返し時に装飾音を結構変えているのが印象的だった。ブーレで一瞬止まりかけたのが惜しい。Bartokはパーカッシブな曲だがあまり金属的にガンガン叩かず、最後のTotentanzも技巧派ぶりを見せながらも音楽重視で決してうるさくならないのが彼らしい。特に緩徐部分での音色や歌わせ方が聴かせた。