3次予選1日目(その2)

Mozartは最初はやや抑え気味のようだったが、修正してだんだん音が出るようになった。もう少し硬質で透明感のある音かと思ったら、意外とまろやかな音であった。Debussyは静謐な演奏。続くBrahmsパガバリ第1巻も最初はちょっと固かったが、進むにつれて調子が出てきた感じ。スケールが大きいとかメカが強靭というわけではないが、やはり音が美しく、詩情を感じさせる。最後のコーダでは思わず心の中で頑張れと応援していた。最後のDance macabreもLisztらしい輝かしい音が気持ちよい。

  • 48 ロマン マルチノフ Roman MARTYNOV ロシア

2次では個性的な解釈を見せていたので、どんなMozartになるのかと期待していたが、ピアノが特に目立つこともなく意外と普通。逆にちょっと肩すかしを食った。続くソロはMedtnerのソナタ1曲のみ。実はこの曲はよく知らないのでコメントができない。

  • 78 アンナ ツィブラエワ Anna TCYBULEVA ロシア

Mozartは音がよく伸びるというか通る感じ。終楽章も音がくっきりしていて悪くない。ソロのScriabinも第1楽章は音よく響いてよいのだが、第2楽章はノリというか動きのキレが今ひとつ。2次予選でも感じたが彼女はリズムの扱いがもう一つなのかもしれない。Schumannも同様で、緩徐変奏では響きが充実しているのだが、急速曲では動きが少し重くモッサリした印象。またフォルテは力が入り過がなのかちょっとうるさく感じる。あと繰り返しをすべて行っていたが、ちょっとくどい感じで、適当に省略した方が流れがよい気がした(楽譜に忠実といえば忠実なのだけど)。