1次予選2日目(その3)

  • 48 ロマン マルチノフ Roman MARTYNOV ロシア

Bachは弾けるように始まる、かなり個性的な演奏。だが面白い。Beethovenは割とオーソドックスでツボを押さえた表現。ロシア出身だけあってNikiforovと同様軽やかなタッチも見せている。ただ提示部で弾き直すような大きなミスがあったのが痛い。個人的にはこのミスで落ちるには惜しい人である。

  • 78 アンナ ツィブラエワ Anna TCYBULEVA ロシア

Bachはゆったりと柔らかい音でとても優美。歌も感じられてなかなか気に入った。Mozartも明るい音色で悪くないが、サラサラと流れるので個人的にはアゴーギクにも一ひねりあった方が好みだったかも。Lisztは丁寧によく弾いていたけれど、狂詩曲なのでさらにハジけたところがほしかった。やや優等生的でちょっと物足りない。

  • 79 ツァイ ミンハオ TSAI Min-Hao 台湾

15歳ということもあってBach,Beethovenとも非常にストレートな表現。若々しいとも言えるが、単調になってしまう嫌いもある。Lisztもメカニック先行タイプで、音楽性の部分は未知数に思えた。

  • 60 チュエン ホンボ− QUAN Hongbo 中国

Bachは表情や音色の変化が豊かで、詩情が感じられる。Mozartもやはり音色の変化が随所にあり、メリハリもあってTcybulevaよりも私好み。Chopinもテクニック面でも音楽面でも非常に聴かせる。かなりの実力の持ち主という印象を受けた。