1次予選2日目(その2)

  • 19 ホアン シンウェイ HUANG Shih-Wei 台湾

Bachは表情に工夫があってなかなか聴かせたが、Beethovenはちょっと淡泊で、もう少し大きな起伏のようなものがほしい感じがする。Chopinも口で言うのは難しいがいろいろと細かいことが重なってもう一つ胸に響いてこない。彼女とは相性が悪いのかもしれない。

Bachはとてもintimateな演奏で、Haydnも羽根のような軽やかで繊細なタッチがとても印象的。特に弱音が美しい。(日本人は子供の頃から鍵盤の奥までしっかり押すようにと教えられているせいか(?)なかなかこういうタッチができない。)最後のBrahmsパガバリも、メカニック的には特に印象付けるというほでではないが、フォルテ和音での輝かしい音など、やはり音がよい。全体的に響きに非常に敏感であることが窺える。

  • 66 佐野 主聞 日本

Bachは健康的な演奏。Haydnも悪くないが、直前のNikiforovの印象が強すぎるので、それに比べるとちょっと印象が薄くなるのはやむを得ないか。最後はChopinのノクターンと、難度の高い曲を持ってこなかったのはリスクが高そうだが、通過するのに有利・不利とかあまり考えず、自分の弾きたい曲を弾くというのであれば、それもアリと思う。

  • 41 リ ハンチェン LEE Hanchien 台湾

Bachはまずまず無難な出来。Haydnも完成度高く、指回りも安定。ただ2次に進むにはもう少しアピールするものがあるとよいか、と思ったら最後のChopinでそれが出来たかも。主題のオクターヴ音型にスピード感があってテクニック的になかなか聴かせる。欲を言えば中間部のスダレの部分はさらに繊細な感じになればよかったけど。