2次予選2日目(その2)

  • 58 ドミートリ オニシチェンコ Dmitry ONISHCHENKO ウクライナ

Shostakovichは(いつものように)リラックスした音だが悪くはない。Lisztも片田さんに比べると余裕があるように聴こえる。(実はこの時間帯、睡魔と闘っていたのであまりよく覚えていない。)最後のLisztも安定はしていたが、聴かせるための手練手管という点では1次のKhristenkoの方がよかったかな。年齢の割には意外と素直(?)な解釈。それにしても、前回も2次でこの曲を弾いており(1次のMozart K310も)、あまり新レパートリーの開拓をしていないのかな。

  • 88 ユ スルギ YOO Seul-Ki 韓国

Ligetiはなかなかよかった。Ravelもまずまずだが音にもっと輝くような煌めきがあればよかった。強音でちょっとひっぱたくような音になりがち。Schumannは全体的に今ひとつパッとしなかった。指回りがピリっとしない変奏が結構あるし、やはり強音での音の魅力に欠ける感じがする(あまり美しく響かない)。フィナーレはちょっと急ぎすぎの印象。

  • 2 ジェラルド アイモンチェ Gerard AIMONTCHE ロシア

最初はChopinの英ポロだったが、これがまたえらく肩の力が抜けた演奏。主題を最初は弱音で弾くという斬新(?)な解釈だったが、でも違うだろーと思ってしまった。次の25-5もちょっとヘンテコな感覚。スケ4はこの中では一番まともだったが、でも相変わらず肩の力が抜けている。脱力もここまでくるとやり過ぎという感じがした。

  • 33 キム ジュン KIM Joon 韓国

Chopin 25-4はくっきりした音が印象的。Ligetiも躍動感があるというか、ノリがよい。道化師もリズムにキレがあり、同音連打も上手い。そして何より明るい音が曲によくマッチしている。最後のLisztもやはり正統派、王道をいく演奏で、Rashkovskiyと同様、三拍子(音、テク、センス)揃っている。Rashkovskiyのライバル出現、という感じである。